もちマラソンランナーにとっていちばん大切な練習は何だと思いますか?
インターバル走、30km走などとても重要な練習がたくさんありますがこれよりも重要な練習があります。
それは、「ジョグ」です。
マラソンランナーにとってジョグは休みや抜きの日では無く、強くなるための基礎作りとして最も大切な練習になります。
トップランナーにとっても練習全体の7割から8割はジョグを締めているので、このジョグの重要性について徹底解説していきたいと思います。
ジョグによる身体的効果


ジョグはゆっくり長く走ることで高強度練習では得られない独自のメリットをもたらすことができます。
毛細血管の発達
身体の末端まで酸素や血液を送り届ける器官
身体の末端にある筋肉や組織に血液を届けているのは毛細血管です。
太い血管では届けることのできない場所に酸素を届けるためには毛細血管が必要になり、毛細血管から末端の筋肉組織に酸素が拡散されます。
日々のジョグを行うことで少しずつ末端の毛細血管に刺激を入れることができ、長い時間をかけて毛細血管が発達して身体の隅々まで広がっていきます。
毛細血管の発達には時間がかかり一朝一夕では行かないものですので、マラソンランナーの基本練習のジョグをしっかり行っていきましょう。
ミトコンドリアの増加
酸素を使って脂肪と糖をエネルギー(ATP)に変える細胞内の小器官
ミトコンドリアは脂質を利用してエネルギーを作り出すために必要な器官です。
ミトコンドリアを増加させることで、糖質だけでなく脂質もエネルギー源として利用できるようになり、効率的にエネルギー変換を行うことができるようになります。
糖質は体内に2000kcalほどしか貯蔵できませんが、脂質はその何倍も貯蔵されているのでエネルギー切れを起こすことがなくなります。
糖質と脂質を使ってエネルギーを生み出すことで、エネルギー代謝能力が向上して後半のエネルギー切れを減らすことができるようになります。
遅筋(持久力筋)の強化
疲れにくく有酸素運動などの持続的運動で利用させる筋肉
遅筋とはゆっくり運動する際に酸素を消費して動かすことができる筋肉のことを言います。
ジョグを行うことで遅筋を強化することができ、筋肉の持久力を鍛えることができます。
日々のジョグで少しずつ遅筋を強化していくことで、長時間・長距離の運動にも耐えることができる筋肉になりマラソン後半の筋疲労を抑制することができます。
また、強靭な筋肉を作ることができれば疲労からの回復も早くなり、すぐに次の練習に移ることができるようになるため効率よく練習を行うことができます。
なぜジョグが必要なのか?


ジョグはマラソンランナーの大半を締めていますが、そのジョグがなぜ大切なのかをしっかりと理解する必要があります。
理解度の違いで練習効率も大きく変わってきますのでしっかりと理解を深めましょう。
①ポイント練習の「繋ぎ」と「疲労抜き」
ポイント練習などの強度の高い練習を行った後は筋肉に疲労物質が溜まり、筋肉も微細に損傷を起こしています。
その状態では次のポイント練習をこなすことができず、無理やり行ってもさらに筋肉が損傷してしまいケガに繋がってしまいます。
ポイント練習の後は完全休養するよりもジョグを行うことで血流を促進させ、疲労物質を流すことが疲労回復に役立ちます。
ポイント練習の繋ぎとしてのジョグ、疲労回復としてのジョグどちらも大切な目的があるので大切に練習に取り組みましょう。
②脚の土台作り
フルマラソンなどの長い距離の衝撃に耐えられる脚を作るには「距離」を踏むことがとても重要になります。
マラソンランナーでは「月間走行距離」という1ヶ月に何キロ走ったかを大切にしているランナーが多く、月間走行距離の多くを占めているのがジョグです。
速く走るためにはインターバル走や閾値走などの強度の高い練習が必要になりますが、そればかりをやっているとケガのリスクが高まります。
そのため、ジョグでポイント練習に耐えられるような脚つくりを行うことで筋肉や腱を強化することが必要になります。
ジョグで負荷を押さえつつ、じっくりと走り込むことで強い脚を作っていきましょう。
③フォームの確認と定着
インターバル走などの強度の高い練習だと余裕がなくなりフォームが崩れた状態で走ってしまうことがあります。
そのフォームが身体に染み付いてしまうと関節や腱に負荷がかかってしまいケガをしてしまうことがあります。
そのため、余裕を持ったペースでジョグを行う際にはフォームを確認しながら行う必要があります。
リラックスした状態で「接地」「腕振り」「姿勢」などを意識しながらジョグを行い、理想の動きを身体に染み込ませることでポイント練習でもきれいなフォームを維持することができるようになります。
④コンディショニング(体調把握)
毎日のジョグでコンディショニング(体調把握)をすることができます。
「今日は足が重いな」「脚が痛いな」「心拍数が上がりやすいな」など身体の微細な変化に気がつくことができます。
疲労が溜まりすぎていたり身体に負荷がかかりすぎていることをいち早く気がつくためにも体調把握は必要になってきます。
早めの対応がオーバートレーニングの予防、ケガ予防に役立つので毎日のジョグでしっかりと体調把握を行い、異常があった場合は早めの対応をするようにしましょう。
効果的なジョグのポイント


ジョグはマラソンの土台作りとして非常に重要な練習ですが、それ以上に強度の高いポイント練習をしっかりこなせるように体調を整えるために必要な練習です。
目的によってジョグの距離やペースを変化させて練習を行いますが、一番意識することが疲労をしっかりと抜き、次のポイント練習をしっかりと走ることです。
ジョグのペース設定
ジョグを行うときのペース設定はそこまで考える必要はありません。
- 気持ちよく走れるペース
- フォームを意識しながら走れるペース
このような感覚を大切にしてジョグをすることが非常に大切になります。
自分の感覚よりもペースを意識してしまうと、ペースが早くなり疲労がたまってしまったり、ジョグの目的であるポイント練習の繋ぎとしても役割を果たせなくなってしまいます。
ジョグは日々の練習で重要な練習ですが、それは強度の高い練習をしっかりこなせるようにするために行う練習ですのでここで頑張りすぎてはいけません。
心肺や身体を追い込むのはポイント練習で十分ですので、ジョグはリラックスして気持ちよく走れるペースというのを意識して行いましょう。
しかし、どうしてもペース設定の目安が欲しいランナーもいるかと思いますので下記に「VDOT」の計算から算出した目安のペース表を提示します。
| マラソン自己ベスト | ジョグのペース設定(/km) |
|---|---|
| 2:50:00 | 4’35~5’04 |
| 3:00:00 | 4’51~5’21 |
| 3:30:00 | 5’37~6’11 |
| 4:00:00 | 6’20~6’57 |
| 4:30:00 | 6’48~7’27 |
| 5:00:00 | 7’14~7’55 |
あくまで目安の設定ペースですので、このタイムにとらわれずに気持ちよく走り、フォームを意識して次の練習に繋げられるようなジョグにすることを心がけましょう。

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