基礎期で土台作りを行い、持久力や脚つくりを行った後に入るのが「強化期」です。
基礎期でしっかりと土台作りを行ってから出ないと強化期の練習をしっかりをこなすことができず、狙った効果を得ることができないことになるので基礎期での練習はしっかりを行っておきましょう。
強化期ではフルマラソンで目標達成するために必要な「スピード持久力」を高めていきます。
ジョグ中心だった基礎期と比べるとインターバル走や閾値走など強度の高い練習が増えてきます。
- どんな練習をしたらいいの?
- 練習の頻度はどのくらい?
- 目的やポイントを知りたい
このような悩みについてこの記事で解決できるようになっています。
この記事では強化期の役割やおすすめの練習メニュー、意識したいポイントについて詳しく解説していきます。
フルマラソンにおける強化期とは?

フルマラソン練習の期分けにおける「基礎期、強化期、実践期、調整期」の2つ目に当たる「強化期」。
基礎期で積み上げた土台を活かし、そこにスピードを乗せていく練習です。
ジョグだけでなくスピード練習などさまざまなバリエーションの練習を行っていくため少し楽しくなってくるフェーズではないかと思います。
強化期の目的とは?
フルマラソンに向けた練習の強化期の目的とは、、、
基礎期でジョグやLSDで長く走り持久力や脚作りを行ってきたと思いますが、ここからは距離だけでなくスピードも意識して練習することになります。
- 最大酸素摂取量(VO2 max)向上
- 乳酸性作業閾値(LT値)の向上
- ランニングエコノミー(RE)向上
- マラソンペースの余裕度
マラソンはゆっくり長く走る能力は必要ですが、より速いタイムを目指していくとなるとスピードも付けていく必要があり、このような能力を高めていく必要があります。
基礎期との違いは?
基礎期は「長く走り続けられる身体を作ること」が目的でしたが強化期では目的が大きく変わってきます。
- スピードを維持する
- 心肺に負荷をかける
- より速いペースに慣れる
このような練習は強度が高く、身体への負担が大きい練習となるので怪我のリスクが高まります。
基礎期で行ったジョグやLSDをしっかりと行いながら、スピード練習を行いメリハリを付けた練習を行うことになります。
強化期はいつ行う?
一般的にはこのくらいから強化期に入ることになります。
もともと練習をしっかりと積んでいるランナーの方は基礎期は省略して強化期から入る場合もありますので、3ヶ月前から準備することが一般的かと思います。
この時期は走力が伸びやすく楽しい時期ですが、ケガをしたり疲労が溜まりやすかったりする時期ですので気を付けて練習を行っていく必要があります。
強化期で鍛えるべき能力とは?

強化期では基礎期で得た土台を活かしてさらなる能力を高めていきます。
鍛えるべき能力としては以下の3点「最大酸素摂取量(VO2max)」「乳酸性作業閾値(LT値)」「ランニングエコノミー(RE)」です。
それぞれの能力と練習についてしっかりと理解を深めたうえで練習に取り組みましょう。
最大酸素摂取量(VO2max)
1つ目に強化する能力は「最大酸素摂取量(VO2max)」です。
1分間に体重1kgあたり取り込むことのできる最大酸素量
VO2maxを高めることによってより多くの酸素を体内に取り込んでエネルギーに変換することができるため、ランニングにおけるパフォーマンスの向上を見込めます。
- VO2max低い ⇒ 5’00/kmできつく感じる
- VO2max高い ⇒ 5’00/kmで楽に感じる
高いVO2maxを持っていることであるペース帯での余裕度を上げることができ、上記例のように5’00/kmペースで必要酸素量よりも多くの酸素を取り込んでエネルギーに変換しているので余裕を持てるということです。
マラソンでもVO2maxを高めておくことでレースペースを楽に感じてレースを進められるようになります。
乳酸性作業閾値(LT値)
2つ目に強化する能力は「乳酸性作業領域(LT値)」です。
血中乳酸濃度が急激に上昇を始める領域
乳酸が蓄積すると筋肉などを動かしにくくなり、ペースダウンにつながってしまいます。
LT値を高めることであるペース帯でランニングを行っても乳酸の蓄積を押さえられ、余裕を持ってランニングを行えるようになります。
マラソンではLT値を超えないペースで運動を続けることになるので、LT値を高めることでマラソンの自己ベスト更新に近づくことができます。
ランニングエコノミー(RE)
3つ目に強化するべき能力は「ランニングエコノミー(RE)」です。
一定のペース帯における酸素消費量
ランニングエコノミーはある一定のペース帯で走っているときの酸素消費量を示し、ランニングエコノミーが高いと少ない酸素消費量でランニングを行うことができます。
ランニングエコノミーを高めることで少ない酸素消費量でペースを維持することができ、マラソンでは楽にレースを進められるようになります。
強化期におすすめの練習メニュー

いよいよ強化期で行う練習メニューになりますが、準備期の練習とは大きく異なり強度の高い練習が増えてきます。
ジョグだけでなくスピード練習を行うため、身体への負担も大きく怪我のリスクが高まる期間となるので練習と休養のバランスをしっかりと考えながら取り組むことが大切です。
インターバル走
インターバル走とは、「疾走(ダッシュ)」と「休息(レスト)」を交互に繰り返すトレーニングです。
200m〜1000mの短い距離の疾走と休息を交互に繰り返すことで心肺や肉体に強い負荷をかけ、VO2maxの向上とランニングエコノミー(RE)の改善を狙います。
最大心拍数の90%以上を目指してペース設定を行う
インターバル走では最大心拍数の90%以上でトレーニングを行うことでVO2maxの向上が見込めるので、心拍数を目安にペースや距離、本数の設定を行います。
詳しいインターバル走の方法は以下の記事を参考にしてください。

閾値走(LT走)
閾値走(LT走)とは、乳酸性作業領域の向上を目的とした練習で20分から30分ならきついが走り続けることができるペースで走る練習方法を指します。
最大心拍数の80%〜90%の状態で行う
最大心拍数の80〜90%前後で練習を行うためかなりきつい状態で30分ほど練習を行う必要があるため非常に強度が高い練習と言えます。
しかし、この練習をこなしていくことによって乳酸の再利用能力が向上しより速い速度での運動が可能になっていきます。
詳しい閾値走の方法は以下の記事を参考にしてみてください。

強化期で意識したいポイント

基礎期とは練習内容や練習強度が大きく変わりその分、走力が伸びやすいですがケガなどのリスクが高まります。
練習をしっかりとこなすことは大切ですが、それ以上に継続した練習をすることが何よりも大切ですので以下の意識したいポイントについてしっかりと理解しましょう。
高強度練習をやりすぎない
強化期は閾値走やインターバル走などペースが速く、心拍数もかなり高い状態での練習が増加します。
もちいわゆる高強度練習(ポイント練習)というものです。
これらの練習はVo2maxやLT値向上のために非常に有益な練習ですが、身体への負担も大きく怪我のリスクが高まります。
毎回追い込む練習ばかりしていると以下のようなトラブルに繋がる恐れがあります。
- ケガ(故障)
- オーバートレーニング
- モチベーション低下
強度の高い練習を毎回行っていても疲労が溜まるだけで速く走れるようにはならず、むしろ練習が継続できなくなり走力低下につながります。
練習計画をしっかりと立てたうえで練習に取り組みましょう。
ジョグを軽視しない
強化期はポイント練習に注目しがちですが、ポイント練習の間で行うジョグは非常に重要な役割があります。
むしろジョグをしっかりと行えていないとポイント練習の効果を最大限活かせないと言えます。
- 疲労回復
- 持久力維持
- 血流改善
マラソンはVO2maxやLT値を高めることは重要ですが、それ以上に42.195kmを走りきれるだけの持久力が必要になります。
基礎期で作り上げた土台を維持し、さらに強い土台を作るためにもジョグは必要になります。
また、ゆっくりジョグを行うことで血流が促進され足に溜まった疲労物質が流れることで疲労回復効果があります。
ポイント練習の合間にジョグを挟むことは目的があって行っています。
疲労管理を意識する
強化期の練習は強度が高いものが多く、疲労が蓄積しやすい傾向にあります。
特にポイント練習後などは肉体的、精神的に疲労がたまりその状態で練習を続けているとオーバートレーニングになりかねません。
そのため練習計画では練習日でも、疲労がたまっていて質の高い練習が行えないと判断した場合は迷わず休養日にすることも大切です。
1日休養したくらいでは走力は低下せず、むしろ疲労が抜けて次の練習でいい練習がこなせるようになります。
そのため、疲労管理は自分としっかりと相談しながら休養を取るか決めていきましょう。
他にも心拍数から疲労状態を判断する方法もあるので、そちらについては別記事で紹介したいと思います。
強化期でよくある失敗


強化期はVO2maxやLT値向上など自分の能力が少しづつ高まり楽しい時期ですが、目的を見失うとさまざまな失敗をしてしまいます。
以下の3点を失敗は本当によくあり、練習効果を得られなくなったりむしろ走力が低下する原因にもなるのでしっかりと理解しておきましょう。
毎回全力を出し切る
インターバル走や閾値走はかなり追い込む練習になり、頑張りすぎて全力を出し切ってしまうことがあります。
しかし、練習の目的は全力を出し切ることではなく狙った心拍数での身体に負荷をかけることです。
毎回全力を出し切っていては疲労が溜まるだけになり、次の練習でも疲労が残った状態でパフォーマンス低下につながります。
練習の目的や理論をしっかりと理解した上で練習に取り組み、「継続した練習を行うこと」が大切です。
ポイント練習を詰め込みすぎる
毎回の練習でインターバル走や閾値走を行っていても疲労が溜まるばかりで、ケガのリスクも高まります。
特に市民ランナーでは仕事や生活の疲労がある状態で練習を行うためポイント練習の頻度には注意しなければいけません。
ケガや疲労状態でポイント練習を行っても意味がなく、むしろ悪化させるだけになるのでポイント練習は週2回程度にとどめ残りはジョグでつなぐくらいが最適です。
回復を軽視する
疲労がたまっている状態で練習を行っても走力向上どころかコンディション悪化につながるおそれがあります。
練習を頑張りたい気持ちは必要ですが、それ以上に練習と休養のバランスが重要になります。
頑張って練習をしてもそれが走力向上に繋がらなければ意味がないので、回復のために休養はしっかりと取るようにしましょう。
まとめ
強化期はフルマラソンで目標達成するための「走力向上期間」です。
- 最大酸素摂取量(VO2max)
- 乳酸性作業領域(LT値)
- ランニングエコノミー(RE)
これらの能力を高めることによって大きく目標達成につながりますが、同時に練習強度も高くなりケガのリスクも高まります。
練習と休養のバランスをしっかりと考えなければ練習効果を最大限得ることができなくなってしまいます。
ケガをして練習が継続できなくなることがあっては目標達成から大きく遠ざかってしまいます。
「練習」と「回復」を意識し走力向上を目指していきましょう。

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